本記事では、プロンプト作成スキルの習得を目的とした研修プログラムに関する研究を紹介します。
対話型LLMの活用が広がる中で、入力文の工夫が結果に大きく影響する場面が増えています。そうしたスキルをどう教えるか、どのように測るかという視点は、教育だけでなく実務にも関わるテーマです。
今回は、学生を対象に実施された検証結果をもとに、研修設計に活かせる知見を整理します。
背景
ChatGPTなどLLMとの対話型ツールは、教育や業務、情報整理の手段として多くの現場に入り始めています。効率的に情報を引き出したり、思考の整理に役立てたりと、使い方次第で生産性に大きく貢献する可能性があります。しかしその一方で、期待する結果が得られなかったり、内容をうまく評価できなかったりする場面も少なくありません。
理由の一つには、意図を正確に伝える力が求められることが挙げられます。入力する文の内容や構成が適切でないと、出力も目的に沿ったものになりにくく、業務上の応用もしにくくなります。そのためツールとやりとりする際の「問いの立て方」や「表現の工夫」は、実践的なスキルとして注目されています。
よって教育・研修での応用を意識した指導法や教材の整備は、依然として必要とされています。
そこで本記事では、対話型ツールの活用を前提とした実践的な学習プログラムを開発・検証した事例を取り上げます。実際の利用シーンを想定した問いの練習と、AIからの即時フィードバックを組み合わせた学習形式で、指示の出し方や情報整理の技術を段階的に習得できる構成です。学生を対象として検証されていますが、実務者向けにも応用可能です。
プロンプトの作り方を授業や研修で扱う際の観点を整理する参考になると思われます。
