LLMを活用した「Text to CAD」 テキスト指示から高品質な3Dモデルを作成する

2025.02.06
深堀り解説
深堀り解説

本記事では、自然言語の指示からCADモデルを自動生成する新しい研究を紹介します。

CAD(コンピューター支援設計)は産業界で不可欠なツールですが、モデル作成には専門知識と多大な労力が必要とされています。研究チームはLLMを活用し、この課題の解決に挑んでいます。

発表者情報

  • 研究者:Ruiyu Wang et al.
  • 研究機関:トロント大学, 中国科学技術大学, マイクロソフトリサーチアジア

論文情報詳細は記事の下部に記載されています。

背景

CAD(コンピューター支援設計)は、産業界における3D設計作業において不可欠なツールとされています。しかし、CADモデルを作成するには専門的な知識と多大な労力が必要とされ、設計者にとって大きな負担となっています。

CADモデルはパラメトリックシーケンスと呼ばれる操作手順によって作成されます。設計者は線、円弧、円などを組み合わせて2次元スケッチを作り、それを立体化して3次元モデルを生成します。このプロセスは複雑で時間を要し、設計の度に一から作り直す必要があることが課題となっています。

自然言語による設計指示からCADモデルを自動生成できれば、設計プロセスは大幅に効率化されると期待されています。設計者は意図を自然言語で記述するだけで素早くプロトタイプを作成でき、繰り返しの作業も容易になります。また、専門的なトレーニングを受けていない人でもCAD設計に参加できるようになります。

現在、テキストからCADモデルを生成する研究は限定的です。多くの研究はランダムな生成やポイントクラウドからの生成に焦点を当てており、テキストによる制御は十分に探求されていません。また、既存の手法では、CADモデルが本質的に持つ2つの側面(パラメトリックシーケンスと視覚的な3Dモデル)を十分に考慮できていないという課題があります。

そのような状況下で、研究者らは大規模言語モデルを活用し、シーケンシャルな学習と視覚的なフィードバックを組み合わせた新しいアプローチの開発に取り組みました。これにより、テキストからの高品質なCADモデル生成の実現を目指しています。

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