エージェントなしで行うLLMによるソフトウェアのバグ修正手法

2024.07.18
深堀り解説
深堀り解説

本記事では、ソフトウェア開発におけるバグ修正の新アプローチ「AGENTLESS」を紹介します。

これまで多くのエージェントベースアプローチが開発されましたが、複雑さが課題となっています。AGENTLESSは、シンプルなプロセスで問題解決を試みます。

参照論文情報

  • タイトル:Agentless: Demystifying LLM-based Software Engineering Agents
  • 著者:Chunqiu Steven Xia, Yinlin Deng, Soren Dunn, Lingming Zhang
  • 所属:University of Illinois Urbana-Champaign

背景

LLMが様々なコード関連タスクで驚異的な成果を上げ、ソフトウェア開発の自動化に大きな期待が寄せられています。中でも、コード生成やバグ修正、テスト生成といった分野で活用が進んでいます。

実際のソフトウェア開発プロジェクトにおいては、単純なコード生成だけでなく、リポジトリ全体を理解し、複数のファイルにまたがる依存関係を考慮しながら問題を解決する能力が求められます。

そこで、多くの研究者や企業がエージェントベースのアプローチを使用しています。エージェントベースのアプローチとはすなわち、LLMにツールの使用や環境からのフィードバック観察、将来の行動計画といった能力を持たせるものです。例えば、ファイルの操作やテストの実行、シェルコマンドの実行などのツールが与えられます。

しかし、エージェントベースのアプローチには以下のような課題があります。

  1. 複雑なツールの使用と設計が必要
  2. 意思決定プロセスの制御が難しい
  3. 自己反省能力が限られている

そのため今回研究者らは、エージェントなしのアプローチ『AGENTLESS』を考案しました。エージェントを使用せずにソフトウェア開発の問題を自動的に解決することを目指した方法論です。

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